高齢者歯科

①糖尿病と歯周病

 糖尿病と歯周病はお互いに作用します。

 インシュリンの作用が低下すると、細胞が糖分を取り込むことができず、血糖値が上がります。歯周病で歯茎が腫れて炎症を起こすと、インシュリンの作用を低下させる阻害物質が出てきます。免疫細胞のマクロファージは細菌やウイルスと戦う際に、この阻害物質を出してしまうのです。

 また糖尿病により体の抵抗力が下がってしまうと、今度は歯周病菌が増えてしまいます。

 糖尿の方は通常より歯周病に気を付ける必要があります。


②消化機能の低下

 老化により胃の弾力低下してしまい、食物を送り出す能力も低下するので、大量の食べ物が一度に胃の中に入らなくなってしまいます。また胃酸の分泌が減少してきます。つまり消化能力が低下してきます。それを助けるには十分な咀嚼が必要になります。そして十分な咀嚼のためには奥歯が必要不可欠になります。このことは胃癌で胃を切除された方にお聞きになるとよくわかると思います。


③嚥下と奥歯

 物を飲み込む時には、舌骨を固定する必要があります。舌骨を固定するには、奥歯が十分噛み合っていて、下あごの位置が、上あごに対して動かないことが大切です。奥歯のない方でも若いころは舌の筋肉の力で飲み込めるのですが、加齢とともに難しくなってきます。また奥歯で十分に噛み締められると転びにくくなり、骨折から寝たきりになってしまうリスクも減ります。


④歯の本数と認知症

 厚労省の報告によると歯を失うことにより、認知症のリスクが1.9倍になります。残存歯数が少なく、咬む能力が低く、日ごろ歯科医院に通院していない人ほど、そのリスクは上がっていきます。認知症になってから、虫歯の治療をしても意味がないところが難しいです。